更新日:2018/06/01

意外と知らない換気の話。24時間換気システムってどんなもの?

空気は目に見えず、きれいなのか汚れているのか分かりにくいものです。 シックハウス症候群の問題をきっかけに建築基準法が改正され、換気設備の設置が義務付けられました。 そうはいっても、換気システムとはどういうものなのでしょうか? 窓を開ける換気とは違うのでしょうか? 現在の住宅で主流となっている24時間換気システムについてご説明します。

24時間換気システムが必要になった理由

昔の住宅は気密性が悪いものの、風の通りが良く自然と換気が行われていました。
近年住宅は高気密になり、すきま風に悩むようなことはなくなったものの、室内の空気が入れ替わらずシックハウス症候群など新たな問題が発生することに。
さらに花粉・PM2.5など大気汚染の問題も加わり、クリーンな空気環境は家づくりの大きなテーマとなっています。

これらの問題を受けて、建築基準法では住宅に機械換気設備の設置を義務付けました。不在時や眠っている間も換気は常時必要になるからです。

また、居室の空気がきれいでも、トイレや洗面に汚れた空気が停滞していれば、汚れた空気が居室にも流れていきます。部屋単位ではなく、住宅全体で計画的な換気を考えていく必要があるのです。そこで登場したのが、24時間換気システムです。

24時間換気システムの種類

機械で換気を行う24時間換気システムには第一種から第三種まで3種類の換気方法があります。

第一種換気システムは、給気も排気も機械で強制的に行うので、必要な換気量を計画的に入れ替えることができる合理的な方法です。

第二種換気システムは、機械で空気を取り入れて、その差圧で汚れた空気を押し出します。外気をそのまま取り入れてしまうので、湿度が高い夏や乾燥した冬は快適とはいえず、住宅に採用されるケースはほとんどありません。

第三種換気システムは、機械で汚れた空気を排気し、その差圧で換気口から自然給気を行います。部屋ごとに換気計画を立てられ、コストが安いことから住宅で最も採用されている方法です。

第一種換気システムと熱交換換気システム

第一種換気システムは、天井裏に換気ユニットとダクトを配置して住宅内の給排気を一括制御するセントラル方式が主流となっています。

第一種換気システムを考える上で知っておきたいのが「熱交換」という言葉です。暖房で部屋をせっかく暖めても、換気すると冷気が入ってきます。反対にエアコンで冷えた室内を換気すると、生ぬるい風が入ってきてしまいます。これを「熱損失」といいます。

この無駄な熱の消費を減らすのが「熱交換換気システム」です。熱交換換気システムは排気で捨てるしかなかった熱を再利用し、外気を室温に近づけてから取り入れるので、換気しても室温に影響を与えません。
省エネや光熱費の削減にもつながるので、第一種換気システムを選ぶのなら熱交換式がおすすめです。

メリットばかりご説明してしまいましたが、やはり第一種換気システムにもデメリットがあります。

それは費用です。イニシャルコストもランニングコストもかかります。特にランニングコストはよく検討してください。電気代節約のために換気システムを止めてしまうと、換気不足となり健康を害する恐れがあるからです。

また、ダクト内部は自分で掃除ができないため、業者にメンテナンスを定期的に依頼する必要があります。第一種換気システムの性能を十分に発揮するためには、メンテナンスが非常に重要です。

第三種換気システムのメリットとデメリット

優れた性能の第一種換気システムよりも、普及している第三種換気システムのメリットはやはりコスト面といえるでしょう。初期費用もランニングコストも比較的抑えることができます。お手入れも自分で簡単にできるので、業者を呼ぶ必要もありません。

第一種換気システムの場合、天井内に換気設備を納める関係上、天井高に制約が出る場合がありますが、第三種換気システムの場合はそういったこともありません。
天井を高くしたり、吹き抜けやスキップフロアを作ったり、設計上の自由度は高くなるでしょう。

デメリットとしては、熱交換ができないので熱損失が発生すること、自然給気なので「冬は寒い」という声が聞かれます。

熱交換換気システムでダクトレスの製品も登場

第一種換気システムと第三種換気システムのそれぞれのデメリットを克服した換気システムも開発されています。メンテナンスが大変なダクトがなく、熱交換もできる換気システムです。

部屋ごとに熱交換換気システムを設置するので、やや費用がかかりますが、ダクト式に比べると低コストで熱交換換気システムを導入することができます。ダクトがないのでメンテナンスは第三種換気システムと同じ手軽さです。

ファンを壁に埋め込み、常時運転することになるので、稼働音に注意して製品を選ぶと良いでしょう。

まとめ

24時間換気システムは、一度設置してしまうと簡単に変えられるものではありません。ランニングコストやメンテナンス、業者のアフターフォローなど様々な面から検討して慎重に決めましょう。

目には見えなくても大切な空気。家づくりを機にじっくりと考えてみてはいかがですか?


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